歯周病の疑いがある症状をチェックしてみましょう!
- 歯みがきの時に血が出る
- 口臭が気になる
- 歯ぐきがかゆい、痛い
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯が長くなったようにみえる
- 朝起きたら口の中がネバネバする
- 歯と歯の間にすき間ができた
- かたい物が噛みにくい
上記の項目にチェックが一つでもついた場合は、歯周病の疑いがあります。早めの治療を行い、ご自分の歯を失うことなく一生守っていきましょう。
歯周病治療
Periodontal therapy
日本では、「歯周病は歯を失う怖い病気」といわれますが、自分のことのように感じていない方が多いのではないでしょうか。「自分はまだ若いし、自覚症状もないから歯周病になっているはずはない」と思ってはいませんか。初期段階での自覚症状がないというところが歯周病の一番怖いところです。歯周病に年齢は関係ありません。若い人でも自覚症状もほとんど感じられず、気付かないうちに歯を支えている骨がボロボロになってしまいます。
上記の項目にチェックが一つでもついた場合は、歯周病の疑いがあります。早めの治療を行い、ご自分の歯を失うことなく一生守っていきましょう。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に細菌が蓄積することで炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かしていく病気です。細菌が歯の表面に付着し作り出した物を歯垢(プラーク)と呼びますが、これはうがいする程度では落ちません。日々のブラッシングが不十分だったり、砂糖を過剰に摂取したりするとドンドン歯垢が溜まっていき歯周病を引き起こし進行させます。
歯垢を取り除かなければ更に固くなり、歯石といわれる物質に変化します。歯石までなるとブラッシングだけでは取り除くことが不可能です。歯と歯ぐきの間に歯石があると、さらに細菌が入り込みやすい環境となり、歯周病を進行させます。
ブラッシング指導による歯みがきの改善
お口の状態は千差万別です。毎日のホームケアで歯周病の原因となる細菌をどれだけ取り除くことができるかが大切です。いつもご自身が磨けていない場所を把握し、磨き残しがなくなるよう患者様一人ひとりに合わせたブラッシング方法を指導します。
歯周ポケット内の歯石除去
歯みがきだけでは落とすことが難しい歯周病の原因となっている歯垢(プラーク)や歯石を専用の器具を使って除去します。汚れや細菌を取り除くことで清潔なお口の環境を作り出します。歯科医院で行う定期的なメインテナンスが歯周病を予防します。
歯周外科手術
歯周病を改善するためには、歯周病菌の塊である歯垢や歯石を取り除くことです。しかし、歯周病が進行して歯周ポケットの深いところにまで歯石がある場合は専用の器具でも届かず、簡単に取り除くことができません。歯周病が重症化している場合は、歯ぐきを部分的に切開し歯周ポケットの深いところの歯石や感染している組織を取り除くことで歯周組織を回復させることができます。歯周組織が一度は破壊された状態になっていますので、術後の定期的なメインテナンスは必須です。
歯周病の原因となるのは、歯垢と呼ばれる細菌です。細菌が歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。歯周病が起こるということは、口の中で常に炎症が続いているということです。
その際、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こして悪化させる原因となります。
炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪く(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。
また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ"ジンジパイン"というタンパク質分界酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。
狭心症・心筋梗塞
歯周病が重症化すると細菌による炎症から血の塊ができやすくなり、血管が詰まりやすくなってしまうことで、心筋梗塞や狭心症などを引き起こす可能性が高くなります。
脳梗塞
脳の血管のプラーク(糊状の脂肪性沈着物)が詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んできたりして脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。
糖尿病
糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。また歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
妊娠性歯肉炎と低体重出産
一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。これにはエストロゲンという女性ホルモンが関係していることわかっています。また、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の強度が低くなることで骨折しやすくなる病気です。歯周病により歯を失うと、咀嚼能力が低下し、食べ物を消化する力が低下します。その結果、栄養素が不足するため骨粗しょう症をさらに悪化させます。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。高齢になると食事の際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。